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観光インフラと環境保護-対照的な二つの事例-

 「AO・推薦入試対策」担当の講師よりご寄稿いただきました。先生が5年前に書いたものです。 

 日本や米国(最近は中国)の資本を積極的に取り入れて、観光立国を目指すパラオ国。一方、近代化を拒否し続け、頑なに伝統社会・伝統文化を守ろうとしているミクロネシア連邦のヤップ州。この二つの島を比較をすれば、課題研究のテーマ(及びその掘り下げ方)が優れたものになるだろうと考え、フィールドに選びました。 

 直ぐ近くにあるパラオ国とヤップ州ですが、本当に全く違った所でした。

 パラオでは、日本のODA(政府開発援助)を使った橋や空港や道路、発電所の建設といったインフラ関連のものが多く、至る所に「JICA(国際協力機構)の支援によるもの」との説明が書いてあります。
 一方、ヤップは今でも村落共同体が完全に機能しており、部族長(chief)の影響力がとても強いのです。日本が支援している分野も、初等教育・病院経営・漁業の指導といった草の根的なもの(NGO的なもの)ばかりです。 

 ところで、パラオは観光立国としてやっていけるだけのインフラを、20年かけて既に完成させています。日本のODAがこの面で大いに貢献したのは間違いありません。パラオは、特に環境保全を厳格にし、持続可能な「環境に配慮した観光政策」を進めていこうとしているのです。今や、観光で充分やっていけるようになったため、環境にも十分な配慮が出来るようになりました。つまり余裕が出てきたのです。
 一方、ヤップは自給自足的な生活にずっとこだわったため、観光があまり発達せず、現金収入がありません。そのため、小金(病院代や子どもの授業料)を稼ぐ必要に迫られて、かえって環境破壊(持続可能でない漁業や農業など)が起こっています。 

 このように、20年前には予想もされなかった逆転現象が目の前で起こっているのです。これら二つの事例を比較することで、「観光インフラと環境保護」について非常に面白い課題研究をしていけると確信しました。
 どっちの政策がよかったのかは即断できませんが、隣国でありながら歩んだ道が全く違うのがよくわかるケースとして最適の教材になったと思います。また、生徒にとっては最良のフィールドワークになりました。

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