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グローバル教育が目指すディベート

 今回は、「CORE」で「AO・推薦入試対策講座」を担当します講師より、学校における「グローバル教育の方法」として「ディベート」について、ご寄稿いただきました。これは、高等学校で、AO・推薦入試の対策としても活用できる手法ではないでしょうか。

  1. ディベートの意義

 ディベートとは、まず相手の発言に耳を傾け、それを前向きに理解し、次に相手がなぜそう考えるようになったのか、その判断基準(価値観)を明らかにしていく方法である。また、知らないうちに自分が当然視するようになった考えの根拠(価値観)を、相手の力を借りながら明らかにしていく方法である。さらに、多様な意見を聞くことで、これまで考えもしなかった視点から物事をとらえ直す機会を得る方法である。こういったことを踏まえてこそ、より高く、より広く、より深い立場から、自分の考えを再構築していける。
 この意味で、ディベートは「客観的かつ公正な資料に基づいて、事実の正確な理解に導くようにするとともに、多面的・多角的に考慮し公正に判断する能力を養成する」(平成11年高等学校学習指導要綱)ための教育方法として最適である。ただ、中学生・高校生の実態を見ると、残念ながらディベートのためのディベート(すなわち、「いかにして自分の主張を通すか」「いかにして相手を屈服させるか」を重視したディベート)になっている場合が多い。

2. グローバル教育が目指すディベート

 グローバル教育が目指すディベートは、地球的規模の問題について多面的な分析や検討を踏まえたうえで、異文化に属する人たちとともによりよい解決策を創り出すものでなければならない。そこで、そのための助言を次に示す。

(1)生徒には、「ディベートは一方的なスピーチではなく共同作業である」ということがわかるよい実例、「議論っていいな。対話っていいな。民主主義っていいな。」と心から感じられる、楽しく有意義な実例を最初に見せる。

(2)対立よりも協力を基調とするグローバル社会の登場に合わせ、完全論破を前提としたルールを改める。また、試合では形式よりも中身を重視し、国際法が規定する内容にもっと留意する。

(3)グローバル社会で役に立つ力の育成を目指して、現実的なディベートを展開する。そのための論議として、2つのものが考えられる。1つは、過去の対立をめぐる『歴史論題(広島・長崎への原爆攻撃の是非、など)』であり、もう1つは、あるべき社会について考えさせる『政策論議(ラオスへの支援では何を優先させるか、など)』である。
 前者では、当事者間で認識の異なる問題を扱うが、そのことでかえって相互理解が促される。ディベートを通して「何がこの違いをもたらしているのか」「自分たちが当たり前と思っている価値観に普遍性はあるのか」などが明らかにされるからである。一方、後者では、地球市民としての責任感や連帯感が喚起されるので、共生力も身につきやすい。

(4)ディベートの準備や試合を通して、人と人との繋がりを拡げ、また深める。

(5)ディベートを1つの独立した行事としてではなく、学校教育の中にきちんと位置づける。例えば、試合前の調査では、ふだんほとんど意識しない外国の機関や人とできるだけ多く接し、その人たちから率直な気持ちを聞くなどして、世界との直接的で具体的な出会いの場となるようにする。また、試合後はふり返りの時間を設けたり、まとめの文を書かせたりして、論題に対する認識を深め、自分の考えを再構築できるようにする。

 ここで紹介したような『グローバル教育が目指すディベート』というものを一度でも経験していれば、異文化に属する人たちとの討論を地球市民としての建設的対話にすることができるだろう。

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