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博物館が育む協力精神

 今回は、AO・推薦入試ご担当の先生から、ご寄稿いただきました。 先生が平成26年8月に北欧を視察されたときの文章です。

 ノルウェーのオスロ市、スバールバル諸島、アイスランドでは、北極圏に関わる博物館を6ヶ所を見学しました。見学と言うより、時間をかなりかけて詳しく展示内容を調査したと言った方がいいかもしれません。これら6館に共通していたのは、北極という人跡未踏の地を少しずつ明らかにしていった数多くの探検家を顕彰しようとする精神でした。私にとっては単なるカタカナ地名(バレンツ海、エルズミア島、ハドソン湾、バロー市など)に過ぎなかったものが、実はそれらが実在した探検家の名前であること、そして北欧の人たちはそれらの名前を聞いただけで彼らの業績をすぐにイメージできるとは思いもしませんでした。

  過去数百年間に渡り、北極圏の地図を明らかにするため、千人以上の探検家の命が失われています。彼らの行為は、今考えるとたとえ笑い話的なもの(例えば、ハドソンは最期までカナダのハドソン湾を太平洋と信じていたことなど)であっても、命を賭けて挑戦したという事実(勇気)に対しては素直に賞賛されているのです。 驚いたことに、この顕彰する姿勢や態度は、どこの国の人に対しても同じでした。南極点到達一番乗りに失敗したスコットは英国人ですが、アムンゼンの母国ノルウェーの博物館でもスコットに関する素晴らしい展示を見かけました。また、スバールバル諸島の博物館では、北極海横断を試みた飛行船イタリア号が遭難したとき、如何に多くの国々が命の危険を顧みず救援に駆けつけたのか、そしてそれが如何に価値ある行為なのかが、詳しく紹介されていました。 

 このように、北極圏では「共に人類の限界に挑戦する仲間だ」という協力精神が、過去数百年かけて育てられてきているのです。そして、今もそれを伝えようとしているのです。更に凄いことに、この協力精神が約百年前に始まった南極探検にも適用されているのです。こういった教育的機能を各博物館がちゃんと果たしていることが、今回の訪問でよくわかりました。本当に素晴らしいことだと思いました。

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