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北米人と日本人の違い

 今回も過去のブログ記事より…AO・推薦入試ご担当の先生よりご寄稿いただいた記事です。

30年以上前のことになりますが、北米と日本との比較教育を中心にカナダの大学院で研究したことがあります。この時の経験から気付いた北米人と日本人との違いについて幾つかご紹介します。

 北米の高校にはギター演奏や演劇、結婚式のスピーチ練習といった授業があるなど、履修科目にかなりの多様性が見られます。これは、個性を重視しようとする国民性が、教育現場に対しても多様性を要求しているからだと思います。しかし、これは裏を返せば、国民文化というか、共通基礎教養についてのコンセンサスが社会全体にないことを意味しています。日本が、全国民に対してある一定量の知的文化財産を高校までに教え込もうとしているのとは、全く対照的です。

 更に面白いことに、北米は合理主義社会・目標達成社会のため、自分たちに直接関係のないことまで広く学ばせようとはしません。例えば、日本の高校の世界地理や世界史の授業では全世界・全時代を一生懸命にカバーしようとしますが、北米ではそのようなことはせずに、自分たちと関係の深い地域や時代だけを扱うのです。従って、彼(女)らの世界認識・時代認識というのは、平均的日本人と比べるとかなり偏ったものになります。

 これらの結果、北米の新聞やTV番組の中に、無知から来る報道と接することがよくあります。しかし、彼(女)らは、「真実は対話によって到達できる」というソクラテスの問答法を教育理念の一つとしていることを忘れてはなりません。つまり、反論することによって間違いや誤解は解かれていくものだと信じているのです。討論が盛んなのもその為でしょう。この流れからすると、彼(女)は当然返ってくるだろうと考えていた反論が日本人からなされない時、驚き戸惑ってしまうことになります。北米の人たちは、こういった場合、(判断材料がないので)日本人が何を考えているのかよくわからなくなり、自分たちの主張が日本人に認められたものだと考えてしまうのです。

 闇雲に何でも教え学ばさせようとするのではなく、人との対話・討論によって真実に近づけると考えている北米の人たちと接するには、我々日本人は知的ゲームのつもりで反論や討論をし続けなければなりません。国内的には「沈黙は金」でしょうが、彼(女)らには通用しないのです。

 今後は、反論できる日本人(それもかなりの数)の育成が求められていると思います。新制度大学入試対策の一つの狙い目なのかもしれません。

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