直近10年で最も難しかった2023年九大理系数学。合格に向けてどのように対応すべきか
九大理系数学の難化が止まりません。2023年は、出題5問のどれも難しく、楽に解ける問題はありませんでした。これまでは、数学Bのベクトルは、比較的取り組みやすい問題が出題されていましたが、2023年は、そのベクトルが最も難しい問題でした。
来春も九大理系数学に楽に解ける問題は出題されないと見ていいでしょう。
では、どうすべきか?
まずは、スケジュールに工夫をすべきでしょう。
時間的な余裕をつくること。これが夏の最大の課題になるのではと思います。
「九大理系数学の標準問題は、夏までに解けるようにする」を夏の目標としておくとよいと思います。具体的には、2019年の[1]が確実に解けるようなイメージです。
この問題は、内容もさることながら、高い計算力も求められる問題です。このレベルの問題が確実にできることを一つの到達点とすべきでしょう。
次のポイントとしては、秋に良質のハイレベルの演習を行うことだと思います。
難化した九大理系数学に対応するには、高い論理力をつけることが必要です。これは、問題の解き方を学ぶような学習法では限界があります。
論理力を鍛えてくれる良質の問題と格闘することで、答案の筋道を立てていく実践力を高めないといけない。
これは、一朝一夕で身に着く力ではないので、10月~12月上旬はトレーニング期間として時間を確保したいところです。
また、標準問題を中心とした演習力という土台がないとこのトレーニングは機能しません。
そのためにも、夏の間にいかに標準問題の演習量を確保できるかは、重要かつ現実的な課題と言えます。
数学は暗記科目ではないので、短時間での追い込みがほとんど期待できない科目です。簡単に改善が見込めない科目だからこそ時間的なゆとりが必要です。
そのためには、夏休みは最大のチャンスと言えます。ただ、最後のチャンスでもあるので、秋に時間的な余裕を確保するという意味でも、夏の勉強が合否のカギを握るのは間違いないのではと思います。