国公立大学医学部(医学科)入試はどうして難しいのか(その1)
【なぜ医学部入試は大変なのか…COREで毎年医学部(医学科)合格者を輩出する理系担当講師が数回に渡って解説いたします!】
多くの方が医学部医学科(以下医学部)の入試が大変であることは、よく理解されていることでしょう。
特に国公立大学医学部の入試は大変です。
ただ、具体的に何が大変なのかは、意外に知られていないとも思いますので、今回から何回かにわけてこの点についてお話します。
今回は
「そう簡単にB判定が出ない。なかなかE判定から抜け出せない」のはなぜか?
についてお話します。
秋頃の医学部受験生が抱える悩みはほぼ一つで、模試の結果です。
来春に合格できそうなレベルにある受験生でもなかなか良い判定が出ません。これが医学部受験の特徴だと言えるでしょう。
良い判定が出ないのは、偏差値が高いからですが、なぜ医学部の偏差値が高いのかを理解する必要があります。
それは、ハイレベルの受験生が集う一方で、一般入試の定員が相対的に少ないということが要因として大きいです。
国公立大学の場合、概ねどの大学も医学部の定員は100~120人程度です。
しかし、一般入試・前期日程の定員は、50~70人程度になります。なぜ一般入試・前期日程の定員が少ないのかというと、推薦入試を重視する傾向があるからです。前期日程の定員が減少していることが医学部の入試を大変にしています。
もちろん受験生からすれば、推薦入試があることで受験機会が増え、合格のチャンスが広がると言えますが、推薦入試で「確実に合格できる」かどうかはわかりません。であるならば、一般入試・前期日程に照準を合わせることが現実的な対策となります。
定員が少ないことは、「確実に合格できるゾーン」が、狭くなることを意味します。その結果、A判定はおろか、B判定であってもそう簡単には出てきません。また、C判定であっても、D判定でもあっても、そのゾーンは狭いのです。
ですから、なかなかB判定は出ず、さらにE判定を抜け出すことすら、容易なことではないということになるのです。
医学部受験は、勉強しても勉強しても、ずっとE判定しかとったことがないという受験生が大半です。そして、そのような受験生が合格することはほとんどありません。
医学部以外では、模試でE判定以外をとったことがないという受験生でも合格することは結構あるのですが、医学部は、ほぼそれがありません。これは、医学部受験が大変であることの一つと言えるでしょう。
まずは、医学部の受験勉強は、模試で結果が出にくい厳しいものであることを、頭に置く必要があることを理解しておいてください。