悩ましい理系の共通テスト数学ⅡBCの問題選択について
2025年度入試から、共通テストの数学の構成が変わります。
新設された数学Cが共通テストでも出題されます。
数学Cの出題科目は、実質的に、
①「ベクトル」(数学Bから移動)
②「平面上の曲線(2次曲線、楕円、双曲線)」
③「複素数平面」(数学Ⅲから移動)
となります。
「平面上の曲線」と「複素数平面」は理系のみ学習しますので、文系の受験生は、「ベクトル」のみ選択となります。
そのため、数学Bの「統計的な推測」が事実上の必須となります。
言い換えると、理系は、「平面上の曲線」「複素数平面」と「統計的な推測」を選べることになります。
ここで、問題が生じます。
理系は「統計的な推測」の準備をするべきかどうかという点です。
「統計的な推測」は、2次試験や私大入試での出題が極めて少ない一方で、
「平面上の曲線」と「複素数平面」は頻出単元であることです。
そうすると、どうしても「平面上の曲線」「複素数平面」に絞りたくなる受験生が一定数出てしまいますが…
私はこの「平面上の曲線」と「複素数平面」の決め打ちはおすすめしにくいなと思っています。
というのも、そもそも「複素数平面」は、抽象性が高く、問題によっては何をしてよいか全くわからなくなり、
結果として白紙答案になりやすいという特徴があるからです。
さらに、新課程での共通テストのサンプルとして試作問題が作成されていますが、これが結構な高めの難易度になっています。
共通テストは、センター試験時代に比べて難易度が一定化しない傾向があります。
難易度の高い問題を躊躇せずに出題する傾向があるためです。
万が一「複素数平面」が難しい場合、「統計的な推測」に切り替えられる方がリスクが少ないと思われます。
準備は大変ですが、当日に追い詰められないためにも、選択肢は確保しておくべきではと思っています。