文系受験生の数学対策(1)
文系受験生の数学対策は、案外難しいものです。数学の先生は当然といえば、当然ですが、理系の先生です。そのことが、文系受験生にとって頭を悩ませていることが多いように思います。
今回は文系受験生の立場に立って、数学の勉強について、3つアドバイスをします。
(1) 解き方は覚えてもよい
数学の勉強法として、よく言われるのが、解き方を暗記してはいけない!
というのがあります。私も理系の受験生にはそのことを厳しく言いますが、文系の受験生は、解き方を覚えても良いのではと思います。暗記はいけないという意見は、暗記をすれば、解き方の筋道を理解しなくなることと、疑問点への意識が弱まることが理由にあるようです。それはそれで正しいのですが、言い換えると、
・問題を理解しつつ覚えていくこと。
・疑問点を解消するように努めること。
の2点を守れば解き方を覚えてもよいのではと思います。
(2)青チャート、フォーカスゴールドは無理をして使わなくてもよい
学校経由で購入していることもあり、この2冊をベースに勉強している文系受験生をよく見かけます。しかし、ハードルが高い問題集でもあります。「量が多い」、「レベルが高い」のは事実で、また理系も使うことを前提としているので、文系受験生には負荷が大きいとも言えます。
したがって、この2冊は無理に使わなくても良いのではと思います。せっかく買ったのだからという気持ちもわかりますが、使いこなせない問題集を無理に使うデメリットは結構大きいものです。自分に合った問題集で勉強することをおススメします。
(3)得点が安定しやすい単元から対策する
数学には得点が安定しやすい単元と、安定しにくい単元があります。文系受験生の勉強法としては、数学Ⅰの頭から勉強をするのではなく、得点が安定しやすい単元から勉強することが大切です。一番安定しやすいのは、ベクトル(平面、空間)です。出題がパターン化しやすいので勉強しやすいと思います。次に安定しやすいのが微分積分です。計算は大変ですが、徹底してやり込めば計算力もつき、点数が安定しやすくなります。私立大を数学で受験予定の人は、複素数と方程式は出題されやすく、得点が安定しやすいです。一方で、確率や整数の問題は文系でも難しいので、じっくりと時間をかけて対策することが大切です。