2022年度【九州大学】物理[1]解説~その2~
九州大物理2022年の問題を解説します。
今回は、[1]のその2として、問2から最後まで解説します。
問1は、なかなか野心的な問題で今後、問題集に採録されそうな問題でした。それは、言い換えると受験生は戸惑ったともいえるでしょう。
後半となる問2からは、平常運転に戻してくれた印象です。
では、問2から行きましょう。
(1)は面積速度の問題です。難関大は近日点、遠日点での面積速度は出ませんね。しっかりと楕円の接線方向の速度を分解して、距離と直角になる成分v⊥を成分分解して用います。
(2)は定義通りですね。U=ーGMm/rとなります。
(3)も特にひねりはなく、通常のエネルギー保存則で立式すればよさそうですね。ただし、vとv⊥は使えません。なので、vを成分分解していきます。(1)でv⊥が出ているので、変形の方向性はすぐに出るでしょう。
(4)はちょっと変わった問題でした。どう考えても数学ですよね。
極値を出さなくてよいとありますが、r→∞は明らかに0ですから、極値が+かーかは、チェックする必要があります。
また、rcの値は、V(r)=0のときのrですね。
グラフは、極値がマイナスならば、極値の前後で減少から増加に転じていることが分かります。
これはある程度予測はできますが、極値のr座標は、rcの右側にあることは意識して確認しましょう。
問3はまとめて対応します。
(1)は特に問題ないでしょう。
(2)は、無限遠の速度を0にして等式にするか、速さをV∞として、不等式とするかは、お好みかなと思います。
本問は、入試問題は、真ん中か最後が難しいという常識を超えた問題でした。受験生にとって、[1]は神経を使う問題ですが、問1の設定にちょっと戸惑ったかもしれません。
後半の問2、問3は、落ち着いて確実に得点したい問題でした。