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豪州視察(平成25年8月)

本日は、以前のブログサイトのバックナンバー(2019年11月7日)より…
AO・推薦入試講座をご担当いただいている講師より、ご寄稿いただきましたものを再掲いたします。豪州視察をされた際に、巨大なパラボラアンテナを見て、教師の察知する力の大切さに思いを馳せられるあたりは、人生を教育に注がれてきた先生ならではの感性だと思いました。日々、勉強になることばかりです。

先生が、平成25年8月に書かれた文章です。

木星の上層大気や土星の輪などの詳細な写真を送り続けてきた米国の惑星間探査機(ボイジャー1号)が打ち上げられてから36年。とうとう太陽系外(現在、太陽から187億キロメートル付近を飛行中)に達したことが、先日発表された。

 ボイジャー1号からは地球に信号が定期的に送り続けられているが、そのための出力は僅か20ワット(これは、冷蔵庫内の電灯とほぼ同じ出力)に過ぎない。この信号が、片道17時間かけて地球に達する頃までには、1ワットの10億分の、更に10億分の1(これは、デジタル腕時計を動かすのに必要な電力の200億分の1以下)にまで減衰するそうである。この超微弱な信号を受け取り増幅させているのが、直径70メートルの巨大パラボラアンテナだ。地球が自転しているため、NASAはこのアンテナを米国カリフォルニア州、スペイン国マドリード近く、豪州キャンベラ近くに設置している。そして、この3つで、惑星間探査機との継続的な通信を担うDeep Space Networkが形成されているのである。 

 さて、私は今年の夏、日豪交流基金の招待でこのDeep Space Networkの一つであるキャンベラDeep Space Communication Complexを訪れることができた。以前、長野県にある野辺山宇宙電波観測所(直径45メートルの電波望遠鏡が有名)に行ったことがあるが、キャンベラのパラボラアンテナはそれよりも遙かに大きかった。下から見上げたときの高さ・大きさは、人間の凄さを納得させるのに十分だった。微弱だがとても大切なメッセージを受け取るために、人間はこんな途轍もないものを造るのかと思った。幸いなことに、コントロールルームで働いている日本人研究者(NASA職員)とも話す機会を持つことができた。自分の仕事について、イキイキと解説される姿がとても印象に残っている。

 彼の話を聞きながら、ふと私の頭に次のようなことが浮かんできた。生徒が出会う様々な大人の発する言葉の中に、(少ないかもしれないが)もの凄く大切なメッセージが含まれているはずである。その微かな信号(メッセージ)を十分感知できるまで増幅させられる力をつけてあげるのが、我々教師の役割・責任ではないのか。謂わば、教師はパラボラアンテナ設計技師のようなものである。そして、その貴重な信号(メッセージ)に目聡く気づき、その方向に心のアンテナを向けるのは、生徒自身(そして家庭)の役割・責任ではないのか。

 こういった大人・教師・生徒の三者間の責任分担・協力があってこそ、次世代を担える頼もしい若者が育っていくのだろう。10-18ワットという超微弱な(しかし貴重な)信号を受け取り増幅させる巨大なパラボラアンテナ、そしてそこで働いている若い人々を見ていて、私は教育の役割・責任についてこのように考えるようになった。今回のオーストラリア研修の副産物の一つと言えようか。

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